清水博正［忘戀情歌：TECA-12167］ / TEICHIKU RECORDS

作詞家・たかたかし コメント

殺伐として光が見えない今の世にあって、清水博正君の歌は、あたかも声明（しょうみょう）のように私たちの心に響いてくる。
人生とはまことに難儀なものです。その難儀な人生を日々生きている私たちに、彼は "つらいですよね" "せつないですよね" と、寄り添うように歌いかけてくる。
たかが流行歌（はやりうた）。しかし、ひとたびそれが彼によって歌われると、言葉が奥深いところから立ち現れ、聴く人の心を揺さぶるのだ。
その一時（いっとき）、日常が生み落す苦しみや悲しみから、私たちの心は解放される。
清水君の歌は、まさに再生のドラマであり、それは「天地（あめつち）を動かし、鬼神（おにがみ）をもあはれと思はせる…」歌の力であると、私は信じている。

作曲家・弦 哲也 コメント

あの衝撃のデビューから一年、振り返るとプロ歌手と最後の高校生活という二つの道を必死に歩んだ一年だったと思う。
私から見てもほんの少し逞しくなった気がする。神様が視力の替わりにくれた声という宝物、彼はそれに甘えることなく "自分流" の歌唱法により磨きをかけたようだ。
日頃、歌手達へのレッスンには厳しい私だが、彼に対しては軽いアドバイス程度の指導しかしていない。
ただ、昨年一度だけ旅に誘った。日本海は能登の海..音と匂いを肌で感じてもらうために。同じ海でも太平洋と日本海では違うことを知ってもらうために。
これからの彼の歌手としての修業は、テクニックを向上させるためのものではなく、心に届く栄養剤を沢山取ることだと思う。
そのために一つでも多く旅をして、一人でも多くの出会いと縁を持つ。そんな環境を作るための影ながらの応援をしていくつもりだ。
デビュー二作目「忘戀情歌」、一味一色変わった清水博正の歌声を是非お聞き下さい。