本名:小林盛夫
生年月日:大正4年1月2日
出生:長野県

 本名:小林盛夫。大正四年一月二日、長野県に生まれ、東京で育つ。

 小学生の頃から剣士志望だったが、身体をこわしたため剣士をあきらめ、方向を大きく変えて落語家を志望し、昭和八年に四代目柳家小さんに入門した。

 最初の名前が柳家栗之助。「お前は栗に似ているから」と名づけられた。十一年に麻布第三連隊に入隊する。あの年の二月二十六日、二.二六事件の反乱軍に知らないうちに入れられて、警視庁を占領した。十四年に除隊して落語会に復帰、二つ目に昇進して柳家小きんと改名した。十八年に再び兵隊に取られ、二十一年に復員した。兵役のため遅れをとっていたが、努力を重ねて二十二年九代目柳家小三治を襲名して真打ちに昇進、二十五年に師名小さんを継いだ。

 以来四十数年、大看板として活躍し、平成七年には落語家としても初の人間国宝になった。文楽、志ん生、圓生亡き後落語界の頂点に立っていた。

 平成十四年年)五月十六日、心不全のため死去。享年八十七歳。

 得意は「うどん屋」「粗忽長屋」「気の長短」など。