どぶろっく・どぶろっかーず[「もしかしてだけど、バンドアルバム」解説・試聴] / TEICHIKU RECORDS

どぶろっく・どぶろっかーず
TEICHIKU RECORDS / テイチクレコード

LINER NOTES

「もしかしてだけど、バンドアルバム」解説・試聴
アレンジャーによるセルフライナーノーツ

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01. 女のかわいさはんぱない!

女のかわいさはんぱない!

作詞 江口直人 / 作曲 どぶろっく / 編曲 樋口太陽

この曲、実は最初はアレンジがヒップホップ風なトラックな上に、全く別テーマの歌詞の曲でした。
その曲から軌道修正してこの形になったのですが、生楽器編成にしつつも、前バージョンでつくっていた打ち込みトラックを試しに同居させたら、「混ざってても意外といいじゃん!」という事で、サビで電子音が鳴っています。

音の制作が完全に終わっていない段階でMV撮影に臨んだのですが、映像のラフな仕上がりなものを見せてもらった時に、「音が映像よりもさみしい!」と思って、後半の「エブリバディセイ!」以降で、声をたくさん重ねて、さらにタンバリンやピアノを足しました。
結果、MVに登場する華やかできらびやかなダッチワイフたちにふさわしい曲になったと思います。

(樋口太陽)


02. ガラ・ルファ

ガラ・ルファ

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 木村亮一

当初、江口さんからこの曲のアコギ弾き語りデモをもらった時は話し合って青春パンクだ!と方向性を決めたんですが、アレンジを進めるうち、また各楽器をレコーディングをしていくうちにどんどんと曲が発展していき、結果としてどぶろっかーずならではのロックンロールが仕上がったと自負しています。

僕としてはどぶろっかーずのメンバーの歌、演奏の個性が発揮される曲になり、またライブ映えする様な曲が欲しいなーと思っていて試行錯誤していたんですが、ドラムRECの時に皓くんに叩いてもらった時、その演奏にバンドマジックを感じて最終形が見えた気がしました。

使用したトラック数も(恐らく?)最も少なく、このバンドのシンプルな魅力が詰まった曲ではないでしょーか。

歌詞も新機軸でその辺も聞き所かと。

(木村亮一)


03. 新・○○な女 / どぶろっく

新・○○な女

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 樋口聖典

どぶろっくさんが元々ネタでやられていた「○○な女」のバンドアレンジ版。
この曲自体は、どぶろっかーず結成前のどぶろっくとしてのアルバム、「もしかしてだけど、アルバム」に別アレンジバージョンが収録されているんですが、今回バンドで音源を作りなおすことになり、新たにアレンジし直しました。
どぶろっかーずとしてはじめてレコーディングした、記念すべき曲です。

この時は、まだ太陽の担当がギターに固定されておらず、いろんな楽器を担当していた頃で、この曲ではキーボードを担当しています。

ホーンセクションは、Sax:戎谷俊太さん、trumpet:織田祐亮さん、trombone:湯浅佳代子さん。
戎谷さんのセクシーなSaxソロから織田さんの豪快なtrumpetソロへと続く流れがめちゃめちゃカッコいいです。最高です。

また、注目すべきは森さんの語りです。
一聴すると、「女っつーのは」や「モリンプロヴィゼーション」の語りと同じ人がやってるとは思えないくらい、渋くてカッコいいんですが、よく聴くと、やっぱりどこか森さんなんですよね(笑)。

(樋口聖典)


04. 言いたい事がある

言いたい事がある

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 樋口聖典

どぶろっくさんが元々ネタでやられていた曲のバンドアレンジ版。

このアルバムの中で、ダントツでおマヌケな歌詞なんじゃないでしょうか(褒め言葉)。
このおマヌケさをいかに際だたせるか、ということで試行錯誤した結果、こんなアレンジになりました。
クールでありつつも、どこかが狂っている。そういう感じをうまく表現できたと思います。

こういう曲なので、いろんな効果音や楽器を入れても十分成立してたと思うんですが、それだと普段音楽制作の仕事でやっていることと変わらないので、自分がギタリストとしてアレンジする意味を考えた時に、「いかにギターだけで遊べるか」というのを勝手に裏テーマに掲げてやりました。
自分のギター以外のレコーディングが全部終わったあと、何度もオケをループしながら、アドリブでギターを弾いて、気に入ったテイクを繋ぎあわせて作っていきました。最終的には、ギターだけで7本くらい重なってます。

最後の畳み掛けのところのスネアのフィル「ダダダダダダダダ」はドラムの皓のアイデアなんですが、この曲にピッタリなファインプレーだと思います。

また、森さんと江口さんの歌が左右から聞こえてくるのは、エンジニアの吉川さんのアイデアです。
吉川さんとはもう長くご一緒させていただいてるんですが、こういった遊び心があるので一緒にやってて楽しいです。

以上、樋口からの「言いたい事」でした。

(樋口聖典)


05. ずっとずっと、ありがとう。

ずっとずっと、ありがとう。

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 樋口太陽

この曲、どぶろっくさんの弾き語りの状態からスタジオでバンドでアレンジをしていて、レゲエやスカなど、色んなアレンジがうまれました。
しかし、江口さんの「もっと壮大な感じにしたい」という希望により、ひとまず寝かせる事になりました。

時は経って、アルバムをつくるにあたり改めてアレンジをするという事で、このチチくりあうという内容の曲を、より真摯な姿勢のアレンジで世に出したいと思いました。
制作終盤、ドラマティックな展開と、暖かく包み込むような優しい音色とがあいまって、だんだん本当に純粋な曲にしか思えなくなってきました。
みなさんもこの曲で、チチくりあうという事と真摯に向き合って頂ければと思います。

(樋口太陽)


06. モリンプロヴィゼーション

モリンプロヴィゼーション

作曲 森 慎太郎 / 編曲 中村 皓

アルバム唯一の森さん作曲。
最初に森さんからいただいたデモはアコギとボソボソとしゃべっている声(夜中奥さんを起こさないように小声でしゃべっていたとのこと)。

以前森さんとお酒を飲んでいるときに「次回森さん曲のアレンジやりたいです」なんてことを言ったのだけど、デモを聴いて頭を抱えてしまいました。全然こんな曲やったことないし。。。

アルバム全体のことを考えると江口さんの曲はシンプルでキャッチーなので1曲くらいは真逆な方向に振り切ってもいいのかなとか、担当ディレクターさんとマネージャーさんはプログレマニアだし意外とありかもなとかいろいろ考えまして。

有名な何曲かのアイディアをごちゃごちゃとミックスしつつ、最終的に森さんらしい脱力感でなんとかしてくれるだろうという期待の元でアレンジをスタート。

楽器構成はとてもシンプルでアコギとエレキが樋口兄弟と中村。ベースが木村。ドラムが中村。

デモアレンジを作っているときに歪ませてディレイとトレモロかましてギターを弾いていたら楽しくなってしまって曲中そのテイクを結構使っています。

左から聴こえるため息やディレイかかった「え?」という声は森さんがデモを聴きながら即興で話したもの。右から聴こえるはっきりしたしゃべり声は江口さんが決めたシチュエーションで森さんが話したものです。

最後は森さんの作った「0:50のところに◯◯という言葉」というような複雑なチャート表を元にエディット。出来上がったときはなるほどそういうことだったのかとビックリしました。

新しいチャレンジもたくさんできて最高の作品になりました!

(中村 皓)


07. しこれども

しこれども

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 中村 皓

これ以上ないほどキャッチーなJ-POPバラードの王道をいくメロディーとこれ以上ないほどゲスい歌詞の組み合わせ。
江口さんからいただいた弾き語りのデモを聴いたときの驚きは忘れられません。サビに入ったときの「マジかよ」感。。。でも品がある。。。

こういう曲は感動的で壮大なバラードにもできるし、荒々しいロックにもできるのが贅沢な悩みですが、江口さんのイメージはシンプルにとのことだったので、大好きな70年代ニューミュージック感+2000年代のJ-POPバラードという方向にしました。

アコギが樋口聖典、エレピが中村、鍵盤ハーモニカのソロが樋口太陽、ベースが木村、パーカッションに宮田隆幸さんを招きました。

とても歌心があるプレイが得意で、特に1:14で出てくる息のような音や1:39のウィンドチャイムにはやられました(いわく流れ星を表現してみました、とのこと)。3:57からのシェイカーにはもう脱帽です。。。

そしてゲスい内容ながらも誰にも迷惑をかけず家の中だけで事が済んでしまうという江口さんの清々しさには頭が上がりません。

(中村 皓)


08. セクシャル・アドベンチャー

セクシャル・アドベンチャー

作詞 江口直人 / 作曲・編曲 樋口太陽

この曲、「どぶろっく以外の楽器隊メンバーが作曲した曲もやってみよう!」という試みのもと、うまれた曲です。

江口さんがとびきりの英詩をつけてくれて、「全英詩なのに、歌詞カードなくても意味がだいたいわかって、しかも笑える!」という、かなり画期的な曲になりました。

あとはどぶろっくさんのボーカルを録ればめでたく完了というレコーディング終盤時期に、衝撃的なお知らせが!

「ボーカルは樋口兄弟でいきましょう」

えっ、マジですか。どぶろっくさん歌わなくていいんですか。

そう思いつつも、間奏時の掛け合い(寸劇)でどぶろっくさんが参加してくれてるので、まぁいっか…。
ということで、樋口兄弟の歌で曲は完成しました。
セクシャル・アドベンチャーという言葉、素敵だと思います。

(樋口太陽)


09. サヨナラ69

サヨナラ69

作詞・作曲 どぶろっく / 編曲 中村 皓

江口さん森さん共作の曲。
Aメロは森さん、サビを江口さんが歌っていますがメロディを作ったのは逆とのこと。おもしろいですね。

この曲は江口さんの大好きなUKロックへのオマージュというつもりでアレンジしました。

土台さえ作れば樋口太陽がこういうギターが得意なので何も言わなくても広げてくれるし、樋口聖典はいい具合にそれを壊してくれるし、木村のベースはUKロックの血筋なので安心です。

ところでアウトロのフェイク、江口さんと森さん、1テイクでキメたんです。すごくないですか?

(中村 皓)


10. 女っつーのは

女っつーのは

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 樋口聖典

どぶろっくさんが元々ネタでやられていた曲のバンドアレンジ版。
実は、バンド結成よりはるか昔、僕が音楽制作で関わっていたテレビ番組「バカソウル」でこの曲のアレンジをやらせていただいたのが、どぶろっくさんと出会うきっかけになったという、思い出の一曲です。

江口さんの歌詞、「生まれた時から俺は女の熱狂的ファン」というフレーズが大好きです。
本当に心からそう思っていないと、こんな言葉は一生出てこないでしょう。歌詞とは、そういうものだと思います。
間奏の森さんのセリフの最後のため息は、森さんの真骨頂です。最高です。

当初、ストリングスやオルガン、ピアノ、パーカッション類等をふんだんに入れて豪華なアレンジにしようとも考えていたのですが、この曲のストレートなメッセージを伝えるには、演奏者の体温が伝わるようなストレートなアレンジが似合うと思い、音数を最小限に抑え、バンドで完全再現できる楽器構成にしました。

ちなみに、某有名バンドのオマージュが2つ入っています。ぜひ探してみてください。

(樋口聖典)


11. もしかしてだけど Maybe...yes I'm sure / どぶろっく

もしかしてだけど Maybe...yes I'm sure

作詞 江口直人 / 英訳 関根麻里 / 作曲 江口直人 / 編曲 中村 皓

「もしかしてだけど」を英語にしてしまおう、それならEDMにしよう、というところからスタート。
最初はハウスっぽいリズムだったんですが、だんだんシンプルにひとつひとつの音色とアンサンブルで構築していく方向に。
最終的にはAメロが韓流、サビがEDM、大サビがハウス+アニソンというイメージに落ち着きました。1:35からのシンセパッドは中二病にかかっていた頃の大ヒットアニメへのオマージュです。

イントロど頭の声は江口さん、森さんにどうしてもとお願いして色っぽい声をいただきました。随所に出てくる分厚いコーラスは樋口聖典によるものです。

作っているときはとにかく熱中していて、ほとんどの時間をこの曲に費やしていた覚えがあります。

アレンジって完成してみると答え合わせができるんですが、作っているときは一本の木から像を削りだしているような感じなのかなと思います。
中にいたのは君だったのかみたいな。笑

(中村 皓)


12. 本当に伝えたいこと(アカペラ・バージョン)

本当に伝えたいこと(アカペラ・バージョン)

作詞・作曲 江口直人 / 編曲 樋口聖典

どぶろっくさんが元々ネタでやられていた「さよならのその前に」のアカペラバージョン。

リハーサルスタジオで、江口さんがその場の思いつきでやってみたいといったのがきっかけで生まれたアレンジです。
ベースのフレーズ、「ボンキュッボン」も、この曲のために生まれた言葉なんじゃないかと思うくらいハマっています。

実はこの曲、もともとアルバムに入れる予定ではなく、別の形でリリースされるはずだったんですが、音源が出来た時点で、僕がどうしてもアルバムに入れたくなってしまい、関係者各位に無理を言って入れてもらいました。
アルバムの最後にこの曲が存在することによって、全てがまとまったと思います。

このアルバムを通して「本当に伝えたい事」。
それは、これだったんですね(笑)。

(樋口聖典)