本名:麹地元吉
生年月日:明治31年1月3日 
出生:東京

 本名:麹地元吉。明治三十一年一月三日、東京に生まれる。

 天狗連と呼ばれる素人落語を経て、大正四年、初代三遊亭圓右の門に入り右喜松と名乗る。七年三橘と改名、間もなく七代目翁家さん馬(後の八代目桂文治)門下に移ってさん生から翁家馬之助で真打ちになった。さらに六代目春風亭柳枝門下となってさん枝、十三年春風亭柳楽と改名した。柳枝の死後五代目柳亭左楽門下に転じ、昭和十五年六代目春風亭小柳枝、ニ十一年八代目三笑亭可楽を襲名してようやく落ち着いた。

 志ん生同様不遇時代が長く、名前と師匠を度々変えている。そのせいか、渋い芸風でパッと派手な売れ方はしなかった。しかしその無表情のような芸は、落語通にはファンが多く、特にジャズメンの間では高く評価されていた。

 昭和三十九年八月二十三日、六十六歳で亡くなった。

 得意は「今戸焼」「うどんや」「らくだ」「二番煎じ」「味噌蔵」などである。