新・浪曲名人特撰シリーズ
梅中軒鶯童
「紀伊国屋文左衛門(紀文の船出) / 籠釣瓶百人斬」
商品データ | TECR-1016 | 定価:¥1,528(税抜価格 ¥1,389) | CD |
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監修:布目英一(浪曲研究家)
台詞集 / あらすじ解説 / 浪曲師プロフィール付
CD
紀伊国屋文左衛門(紀文の船出)
きのくにやぶんざえもん(きぶんのふなで)
鍛冶屋など金属を加工する商売では、ふいごという道具を使う。毎年十一月一日には仕事を休み、ふいごを清めて祝う、ふいご祭りが行なわれる。この日、みかんを食べると病気にならないという言い伝えもある。承応元年は二ヶ月近くの大しけで紀州から江戸へ船でみかんを送ることができなかった。そこで文左衛門は買い占めたみかんを船に積み、嵐の中を運んで大もうけしようと考えた。文左衛門から前払いで十両をもらった船頭たちは初め、喜んだが、命をかけての仕事と知り、尻込みをする。男性的な鶯童の声、節により、嵐の中の船出の勇壮な光景が描写されている。この演目は元来、前座ネタだったが、鶯童の口演により第一級の作品に生まれ変わった。
籠釣瓶百人斬
かごつるべひゃくにんぎり
豪農、佐野次郎左ヱ門は疱瘡であばたになったために縁談が破談になったばかりか、言いかわした女性お花から侮辱を受ける。お花よりまさった女房を迎えて男の意地を立てたいと願うようになり、吉原の花魁八ツ橋に一目惚れする。一年半通い詰めた末に身請け話がまとまるが、八ツ橋には情夫の宝生栄之丞がいて、身請けを破談にした上に満座の中で次郎左ヱ門に恥をかかせた。思い余った次郎左ヱ門は村正が作り上げた妖刀、籠釣瓶で八ツ橋と栄之丞を殺害しようと決意する。しかし、のろわれた刀ゆえ、思いもかけぬ人々まで手に掛けてしまう。実話がもとの講談から歌舞伎にもなった作品。鶯童の口演は緊迫感あふれる心理と情景が生き生きと描かれている。
浪曲師プロフィール
梅中軒鶯童 / ばいちゅうけんおうどう
京都生まれ。小学生の時に飛び入り参加した素人浪花節大会で大人顔負けの祝儀をもらって味をしめ、レコードで稽古をしただけで十歳の年にプロとなった。その後も全くの師匠なしの独学で浪曲界を代表する演者となる。