新・浪曲名人特撰シリーズ
伊丹秀子
「呼子星 / 杉野兵曹長の妻」
商品データ | TECR-1010 | 定価:¥1,528(税抜価格 ¥1,389) | CD |
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監修:布目英一(浪曲研究家)
台詞集 / あらすじ解説 / 浪曲師プロフィール付
CD
呼子星
よびこぼし
一九五二年製作の同名の大映映画の主題浪曲。寿々木米若の三味線弾きの民子は新潟の呉服問屋の若旦那新吉と東京に駆け落ちし、みどりという女の子を生んだ。新吉が交通事故で他界したため、みどりを引き取りたいという姑の要求を拒み、娘と親子二人の生活を送る。ところが、みどりの病気のために借金ができ、米若の弟子の清さんの三味線を弾いて稼ぐことを決意する。新潟への旅巡業に向かう汽車のデッキで無理に言い寄る清さんともみあい、転落死させてしまう。浪曲はここで終わるが、二十年後、刑期を終えた民子とみどりが再会し、わだかまりが解けて和解をするまでが映画では描かれている。この映画には秀子と米若の他、二代 広沢虎造も出演している。
杉野兵曹長の妻
すぎのへいそうちょうのつま
日露戦争において、日本は旅順にいるロシアの太平洋艦隊を撃滅するため、旅順港内から艦隊が出られないようにする閉塞作戦を行なった。この時、広瀬少佐と杉野一等兵曹が乗る船に魚雷が命中し、杉野は行方不明となった。少佐も杉野を探すうちに敵弾にあたって戦死した。広瀬は中佐となって軍神と呼ばれ、杉野も兵曹長に昇進し、二人の銅像が東京神田に建てられた。また二人を悼む歌も作られた。このような名誉とは裏腹に杉野の遺族は伊勢の津の町の長屋でわびしく生活していたが、妻りゅう子は一念発起して苦学の末に裁縫教師の資格を得て、三人の息子を立派に育て上げた。戦時中、同様の境遇にあった人々の励み、目標となって大ヒットした作品。
浪曲師プロフィール
伊丹秀子 / いたみひでこ
浅草生まれ。二代目天中軒雲月から戦後、伊丹秀子に改名。老若男女の声を描き分ける「七色の声」で数多くのレコード吹込みを行なう。政財界の人々の後援会も作られ、歌舞伎座で独演会を行うなど浪曲界の頂点に立った。