新・浪曲名人特撰シリーズ
三門 博
「唄入り観音経:吉五郎発端の巻 / 吉五郎改心の巻」
商品データ | TECR-1007 | 定価:¥1,528(税抜価格 ¥1,389) | CD |
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監修:布目英一(浪曲研究家)
台詞集 / あらすじ解説 / 浪曲師プロフィール付
CD
唄入り観音経 / うたいりかんのんきょう
吉五郎発端の巻
きちごろうほったんのまき
奥州白石在小菅村の甚兵衛は村の年貢五十両を江戸に住む領主に届けに来た。ところが両国で山猫の権次と向こう傷の熊の二人にすられてしまう。二人は分け前でもめ、その間に木鼠吉五郎にこの金を奪われる。吉五郎が吾妻橋まで来ると、甚兵衛が身投げをしようとしていたので、五十両を渡す。そして自分はお尋ね者の大泥棒であり、捕まれば死罪になると明かし、「もし自分が処刑されたと聞いたら、必ず回向をしてくれ」と頼み込む。三門博の出世作「唄入り観音経」はさまざまな形で作り替えられている。その理由の一つとして「息が長く続く若い時に作ったものなので、年をとるにつれて自分の体に合わせた節と文句に替えている」と語っている。
吉五郎改心の巻
きちごろうかいしんのまき
瓦版屋が罪人の名を列記した読売を売っていた。職人たちもそれを買ってきたが、字が読めない者ばかりで四苦八苦。そこへ博学の熊がやってきて、読んで聞かせる。そこには木鼠吉五郎が捕まったことも書かれていた。吉五郎は盗んだ物は困った者に恵んでいたので、どのような処罰になるか分からないとあった。職人たちは罪が軽くなるように奉行所へ嘆願に行く。山猫の権次と向こう傷の熊が百たたきの刑を受けた日に吉五郎は大岡越前守の裁きを受けた。貧乏人を助けていることと、罪状書きに老中が押すべき裏判が押されていない不備が認められることから罪には問えないと告げられる。越前守の勧めに従い、吉五郎は西念と名を改めて出家する。
浪曲師プロフィール
三門 博 / みかどひろし
長野の出身。旅行と釣りが趣味のため、巡業が多かった浪曲師になったという。従来の浪曲とは異なる小唄や新内調の柔らかな節まわしで人気を得た。この節の創作は浜辺で波の音を聴いて行ったと証言している。