「青春のポップスU〜Superstar」
2001.5.23/TECN-26712/アルバム
( )内はオリジナル・タイトル


01:ロリポップ(Lollipop)
お馴染みアメリカン・ポップス/オールディーズを代表するこの曲は、女性ヴォーカル・グループのコーデッツにより58年に全米2位、全英6位を記録した大ヒット曲。本作冒頭を飾るruaのヴァージョンは軽快なアカペラで、明るくポップな魅力溢れる作品に仕上がっている。

02:オールウェイズ(Always)
オリジナルは76年にニューヨークで結成されたR&Bグループ、アトランティック・スターで、この曲は87年に全米1位、全英3位を記録した名曲。これもよく耳にされる曲だと思うが、ruaのヴァージョンも原曲のメロディの美しさを生かしつつ、姉弟ならではのピッタリ合ったハーモニーと交互にとるヴォーカルが印象的な好カヴァーだ。

03:さよならロンリーラブ(Even The Nights Are Better)
80年代に大活躍したオーストラリア/メルボルン出身の2人組、エア・サプライのヒット曲で、82年に全米5位、全英44位を記録。エア・サプライは76年に結成され、81年の「シーサイド・ラブ(The One That You Love)」が全米1位を獲得し、以後アメリカでもヒットを連発。ちなみにオーストラリアのグループで初の全米1位を獲得したグループは、彼らである。80年代初頭の明るい雰囲気を今に伝える特徴あるメロディと、クリスティの透明感ある声が、実に相性良く爽快に響く。ギター・ソロはザ・コレクターズの古市コータロー。

04:ディスタンス(From A Distance)
ベット・ミドラーのヴァージョンで90年に全米2位、全英45位(翌年6位に再浮上)を記録した大ヒット・ナンバーだが、実はこれはカヴァーで、オリジナルはナンシー・グリフィス。この曲はNHK『青春のポップス』で2001年1月?3月のエンディング・テーマとしても使用されたので、耳にされた方も多いだろう。原曲の美しいメロディを生かしつつ、時に力強く、時に繊細に響く2人のハーモニーはまさにruaの面目躍如といったところ。

05:スーパースター(Superstar)
カーペンターズの代表曲の1つで、アルバム『スーパースター』に収録。またシングルは71年に全米2位、全英18位を記録している。この曲も実はカヴァーで、たまたま深夜のテレビ番組「トゥナイト・ショウ」でこの曲を歌うベット・ミドラーの姿を見たリチャード・カーペンターが、カレン・カーペンターが歌うとピッタリなのではと思い、カヴァーすることにしたそうだ。ちなみに作者は、レオン・ラッセルと、デラニー&ボニーのボニー・ブラムレット。このruaのヴァージョンも、オリジナルの持つ翳りある雰囲気や美しさを十二分に生かしたアレンジに、クリスティの表情豊かな歌声が絡む、好作品だ。NHK『青春のポップス』で2001年4月?のエンディング・テーマとしても使用されている。

06:イン・マイ・ライフ(In My Life)
オリジナルはご存じザ・ビートルズで、全米・全英ともにNo.1を獲得した65年発表の名作6thアルバム『ラバー・ソウル』収録曲。オリジナルの雰囲気を残しつつ、弦楽器とアコースティック・ギター、ピアノというシンプルな編成が、よりヴォーカルのクリントンの歌声を効果的に引き立てている。なおこのギターは、ザ・コレクターズの古市コータローによる演奏だ。

07:イエスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More)
お馴染みカーペンターズの代表曲の1つでアルバム『ナウ・アンド・ゼン』に収録され、シングルは73年に全米・全英共に2位を記録した名曲中の名曲。アルバムではB面の1曲目にこの曲が登場し、DJ入りのオールディーズのカヴァー・メドレーを挟んで再びこの曲が登場するという構成になっているが、オリジナルもカヴァーも分け隔てなく自分たち流の表現ができるカーペンターズの神髄を見せた見事な出来だ。このruaのヴァージョンではオリジナルとはひと味違ったガット・ギターの響きが印象的で、このアレンジとクリスティの繊細な歌声との相性も良く、さらにクリントンのハーモニーが加わる瞬間は鳥肌もの。改めて楽曲の良さを痛感する。

08:ユア・ソング(Your Song)
オリジナルはお馴染みエルトン・ジョンで、71年に全米8位、全英7位を記録した彼の初期代表曲。ピアノと弦楽器をメインにフィーチャーしたシンプルなアレンジは、原曲の美しさを効果的に再現している。クリントンのどこか繊細でありながら、楽曲の持つダイナミックな面をもうまく表現できるヴォーカル・スタイルが、とても印象的。

09:アイム・ノット・イン・ラブ(I'm Not In Love)
この曲はイギリスの70年代を代表するグループの1つ、10ccがオリジナル。75年の3rdアルバム『オリジナル・サウンドトラック』収録曲で、シングルは全米2位、全英1位を記録。架空のサントラ盤というコンセプトで作られたこのアルバムの中でも、特にこの曲はポップでありながら近未来的で浮遊感あふれる不思議な魅力を持ち、多くのファンに親しまれ続けている名曲。このruaのヴァージョンでは、クリントンの声を何度もオーヴァー・ダビングし完成した厚く重ねられたコーラスがとても印象的だ。そしてそこに絡むクリスティの透明感あるヴォーカルが、原曲とはひと味違った魅力を引き出している。

10:愛はきらめきの中に(How Deep Is Your Love)
イギリス出身のギブ3兄弟を中心に結成されたバンド、ビー・ジーズのヒット曲で、77年に全米1位、全英3位を獲得。ビー・ジーズは、当初はハーモニーを駆使したサウンドを特徴としていたが、メンバー・チェンジを経て一旦解散。しかし70年に再結成し、「傷心の日々」(71年/全米1位)など多くのヒットを残した。また78年には映画『サタディ・ナイト・フィーバー』のサントラに収録の「恋のナイト・フィーバー」を大ヒット(全米・全英1位)させ、ディスコ・ブームの中心的存在としても活躍。このruaのヴァージョンも、原曲の持つ雰囲気を生かした70年代の風を今に伝える美しいAOR風アレンジが、クリントンの歌声との相性もピッタリで、とても心地よく響く。

11:ピリ・ポノ・ティア(Piri Pono Tia)
この曲はruaの出身地である、ニュージーランドの先住民族マオリ族に伝わる民謡。シンプルなピアノに合わせて、クリスティのヴォーカルにクリントンのハーモニーが絡み、さらに厚いコーラスが登場する感動的なナンバーだ。民謡と言っても、あまり古さを感じない。むしろ最近流行のヒーリング・ミュージックに近い感じさえする。なおこのコーラスにはruaの両親、2人の弟、そして従姉妹や友人による、ruaファミリーが参加している。

12:雨を見たかい(Have You Ever Seen The Rain)
 オリジナルはクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(C. C. R)の71年のアルバム『ペンデュラム』収録曲で、シングルは全米8位、全英36位を記録した彼らの代表曲。C. C. Rはサンフランシスコ出身で後にソロでも活躍するジョン・フォガティとトム・フォガティの兄弟を中心としたロック・バンドで、R&B的なテイストを生かしたサウンドで人気を博した。69年の2ndアルバム『バイヨー・カントリー』収録の「プラウド・メアリー」(全米2位、全英8位)などヒット曲も多い。ボーナス・トラックとして登場するこのruaヴァージョンは、スタジオでのライヴ録音。アコースティック・ギターはクリントン自身が担当している。