樋口了一[よろこびのうた:TECG-30031]


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よろこびのうた

よろこびのうた ジャケット写真

2010-02-17/TECG-30031/定価:¥2,857+税/アルバムCD

日本中に広がる「手紙~親愛なる子供たちへ~」を歌う樋口了一、14年ぶりのオリジナル・ニューアルバム!話題曲「手紙~親愛なる子供たちへ~」をはじめ、「命」「家族」「絆」をテーマに、石川さゆりさんに提供した「朝花」(ニューバージョン)、コンサートで反響の多い「How?」「みみらく霊歌」「よろこびの歌」など、全10曲収録。

  1. How?
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  2. みみらく霊歌
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  3. 手紙~親愛なる子供たちへ~
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  4. 切手のないおくりもの
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  5. ほ のうた
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  6. windy train
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  7. 朝花 -ニューバージョン-
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  8. ふたば
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  9. 風の呼び声
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  10. よろこびの歌
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収録曲・セルフライナーノーツ

How?

現在、イベント、コンサートの1曲目に歌っている曲。
自身の子供とのエピソードから「神様はどこにでもいる」ということを伝えるメッセージソング。
『歌詞の最初の一行が、おもちゃ売り場で子供を叱って泣いた直後の、涙を溜めたままの彼の満面の笑顔を見た時に舞い降りて来ました。その笑顔はそのまま昔の自分の顔でした。むずかしいことでもなんでもない。すべてのものに宿ってくれている「神様」を感じた瞬間でした。その感謝の気持ちを忘れないようにと家に帰って急いで作り上げました。直後に仕事で行ったアイルランドでアレンジのインスピレーションをもらいました。』

みみらく霊歌

長崎県は五島列島にある福江島に伝わる「みみらく伝説」(みみらくの島に行けば、亡くなった人がしばし海の向こうに現れてくれるといういい伝え)を歌った歌。
『長崎県五島列島福江島。そこに行けば他界した愛する人に逢えるという。別名みみらくの島。万葉の時代から伝わる言い伝えの浜に沈む圧巻の夕日に、呆気にとられながら仕上げた曲です。もう一つはこれも島に千年前から伝わる鎮魂の舞チャンココ。倭の時代の日本を感じてください。「チャンココ知っとるよ。」と教えてくれた、ちーちゃんという小さな女の子の笑顔が忘れられません。この曲を持って会いに行きたいな。大きくなっただろうな。』

手紙~親愛なる子供たちへ~

2008年10月に発売以来13万枚を超えるヒットを続ける、ロングセラー作品。
2009年「有線大賞」優秀賞、「日本レコード大賞」優秀作品賞を受賞。
『この曲を今聴いて浮かぶ言葉は「導き」です。3年前のある日この言葉に出合って、それからここまでを振り返ると、しっかりとした「道」が見えてきます。歩いているときには無我夢中で気付かなかった道が足元にまで続いているのがはっきりとわかります。初めは僕ひとりだった道を、今はたくさんの人が一緒に歩いてくれています。この道はこの先もずっと続いているんだと思います。誰かにとってこの言葉が消えない命の希望のうたである限り。』

切手のないおくりもの

1978年、財津和夫さん作詞・作曲でNHK「みんなのうた」でも放送された曲のカヴァー。
『御存知財津和夫さんの永遠の名曲です。前曲の「手紙」を受けて、手紙の郵便配達に携わるポストマンたちにとってこれほどピッタリな曲はありません。アレンジの本田くんと色んなアイデアを出しあっていて、突然「ディキシー!!」というキーワードが降りてきました。』

ほ のうた

2007年2月9日にインディーズより発売されたシングル。
『「ほ」っかいどうに住むDJカラスさんが、自宅で「ほ」と、書いてみたのがそもそもの「ほ」ったんでした。その「ほ」を見たみっちゃんがえ「ほ」んを描いて、それを見た僕がこの「ほ」のうたをつくり、曲を聴いた石田卓也さんが「ほ」んわかと心があったかくなるクレーアニメーションをつくりました。私事ながら、ちっちゃな「っ」の声は、当時1才の長男です。ひとりで平気だと言っていたのに、最後はみんなと一緒じゃなきゃつまらないと思わず洩らした「ほ」のモデルは僕自身です。』

windy train

2007年に廃線となった、宮城県の栗原田園鉄道のために書き下ろした曲。2006年8月4日にインディーズより発売された「風の呼び声」のカップリング。
『宮城県北部の田園地帯を走るくりはら田園鉄道。廃線になるという話を聞いて、サトケンと始発の石越駅を訪れたのが五年前。昭和の昔のままの駅舎の木のベンチ。ブリキの板の広告。黒電話。昔ながらの硬券。見ているうちにいつしか僕の心は故郷熊本に飛んでいました。年々大きくなる故郷への思いを、柔らかく風を切って走るこの電車に託しました。今はもう廃線になってしまいましたが、線路と車両、駅舎の一部は残されています。』

朝花 -ニューバージョン-

石川さゆりさんに提供し2007年9月10日にリリースされた作品のセルフカヴァーを新録。
『奄美の島唄のなかに「朝花節」という唄があるのを見つけたのが今から七年前の夏。何となく作ってあったメロディーと、この「朝花」という言葉の響きとの出合いはまさしく運命的でした。ラブソングと言えば恋愛の歌、というソングライティング上での束縛から解放された、自分にとって記念碑的な曲です。曲を作っている間、何故か海辺に佇む石川さゆりさんの姿が頭にありました。後にご本人にこの歌が歌われるなんてことは想像の外でした。「人生一瞬だったな。」父のこの言葉が曲を完成させてくれました。』

ふたば

自身の愛娘のことを歌った曲。
『僕の娘の名前です。部屋で2人で遊んでいて、そのまま出来上がった曲です。なのに何故か転調を繰り返す、アルバムの中でも一番難しい歌になりました。僕の中では自然な展開なんですけど。「かがやきはきみととンもにぃぃ」と娘が歌うとコブシが入ります。気に入ってくれてるみたいでひと安心です。彼女とはどこか他の場所で会ったことがある気がして仕方がありません。子供は親を選んで生まれてくるんだっていうことを僕は信じます。』

風の呼び声

2006年8月4日にインディーズより発売されたシングル。大分「トキハデパート」イメージソング。
『大分県にあるトキハデパートの70周年記念の歌を作ってほしいと依頼されて作りました。樋口了一の名前は知らなくても、「い~ま~きみにもいちど~」と歌えば、「ああ、あのトキハの」と、わかる程に大分の皆さんに愛される曲になりました。この曲には、忘れられない思い出があります。その思いを共有している仲間たちの熱意が、「手紙」のリリースに繋がっていきました。故人であるトキハの別宮秀次郎さんの優しい笑顔がいつでも思い浮かびます。』

よろこびの歌

アルバムタイトルにもなった今作を象徴する作品。繋がっていく命の喜びを壮大なアレンジで歌い上げる。
『アルバムのタイトルチューンです。夜ジョギングをしていて、膝が痛くなり、仕方なく歩いていた時に、歌いだしの歌詞が舞い降りました。でもあまりうまくいかず、しばらくそのままにしていました。このアルバムを貫くテーマである「死を越えてゆるぎなく続いてゆく命」。僕がこの考えを受け入れた時、それを待っていたかのように、しばらくして曲が完成しました。いつか、この曲のようにすべてのことによろこべる時が来ることを信じて、憧れを込めて、愛を込めて、未来の自分に、家族に、皆さんに向けて贈ります。』


些末な日常を慈しむ、折々の記。こころの深遠を見つめる、樋口了一初のコンセプトアルバム『よろこびのうた』

前作『GOGH』より約14年ぶりとなる、樋口了一のオリジナル・ニューアルバム『よろこびのうた』が誕生。
「手紙~親愛なる子供たちへ」がロングセラーとなり、昨年は「第42回日本有線大賞」の有線音楽優秀賞、「第51回日本レコード大賞」の優秀作品賞を受賞いたしました。
満を持して発売される本作は、誰もが出会う日々のひとコマがたっぷりと描かれています。
そのひとコマひとコマが、人生を実に豊潤にしてくれる…。
そんな想いを感じさせるニューアルバム『よろこびのうた』について、樋口了一さんにたずねてみました。

インタビュー・文/工藤美佐緒

-まずは、ジャケットの表情が印象的ですね。樋口さんってこんな表情をするんだなぁと思いました。

「いろんな方に言われますね(笑)。これはジャケットのアートディレクションをやっていただいたデザイナーさんが、『リラックスした表情を撮りたいので、家族を連れてきてもかまいませんよ。ただ連れて行きたくないんだったら、それでもいいですよ』とおっしゃってくれました。うちの嫁に相談したところ『行ってもいいよ』と言うので、みんなで撮影に行くことになったんです。撮影スタジオは陽の光が差し込んでいて、子どももはしゃいでいる。半ば家にいるような雰囲気になり、子どもが僕のシャツのボタンをいじっている一瞬を撮ったものですね」

-その子どもさんのことを書いた歌「ふたば」ですが、転調の多い難しい曲です。シロウトが歌うと音程が非常にとりづらい曲ですが、こういった転調の多い曲にした理由?

「おそらく僕の中にJohn Lenonの「Julia」があったのでしょうね。彼の作品にはプライベートをさらけ出していますが、僕もそういう作品をつくってみたくなったんです。でもつくりはじめた時には、この曲を転調させていこうという気持ちは、全くありませんでした。ただ子どもの表情は、くるくると変わっていくもの。さっきまで泣いていたのが、すぐに笑ったり。陽が翳ったり、差してくるように移りゆく。その感情を表現したかったというのはあります。この曲ではBメロでマイナーになりながらも転調を続け、サビで広がる。そしてサビの最後である "神様がくれた目覚めの時だよ" という歌詞のところで、F#のメジャーに転調。ここには、特別なステージに行きたいという気持ちがあったんだと思います。このジャケット写真のように些末な日常から入ってくるんですけど、"神様" というところまで手が届いているんだよという形にしたかったんです」

-コードが凝っているといえば「風の呼び声」もそうですね。イントロから、非常に洒落ています。「ふたば」と「風の呼び声」を聴いた時に、本来の樋口さんの作風はこの2曲にあるのではないか、と感じたんです。若かりし時の尖った感性が、随所に散りばめられているような気がしますから。ただそれを2曲に抑えたというところに、大人のスタンスを感じます。しかもご自身の若かりし姿がありながら、子どもに向けた歌や老いた親への歌などもある…。まるでこのアルバムは、人生のさまざまな姿を描いたコンセプトアルバムのような気もします。

「僕自身もコンセプトアルバムをつくってみたかった、というのはあったんです。今までつくってきたことがなかったので。人間の成長や感謝、悲哀を日常を通して描いてみたいと思っていたんです。このアルバムの真ん中の曲、レコードでいえば折り返しの最初の曲に「windy train」という曲が入っています。この歌詞の中に "まだ僕は道の途中さ" という歌詞があるのですが、これが偶然折り返しのこの位置に入ることになった事がいい、というスタッフもいます。人生のさまざまな姿を描いたコンセプトアルバムという意味では、確かにそう言えるかもしれませんね」

-また「How?」にも、お子さんの姿が描かれていますね。この曲はコンサートやイベントで、一曲目に歌っているということで、たくさんの方に愛されている曲でもあります。

「この曲は子どもを連れておもちゃ売場へ行った時のエピソードから、生まれました。僕が子どもを叱ったのですが、その直後に『パパが大好きだよ~』と言って涙を溜めながら、満面の笑顔を浮かべたんです。その顔は自分の子どもの頃の姿そのままであり、これぞ神様だと感じた瞬間でした。神様はいないのではなく、どこにでもいるんではないでしょうか。僕はそう思います。ちなみにこの曲をつくった頃アイルランドへ行ったせいか、音はアイリッシュ・フォークの影響を受けています。この曲は現地のアイルランドパブでも、演奏をしたことがあるんですよ」

-「朝花 -ニューバージョン-」では、樋口さんの裏声のしゃくりが聴けます。これはとても気持ちがいいですね。

「ありがとうございます。この唱法は奄美大島ならではのもので、沖縄でも聴けません。日本のアーティストでは元ちとせさんや中孝介さんらが、この唱法で歌っていますね。アイルランドでもこの曲を歌ったら、みなさんびっくりしていました。こういう唱法は彼らにとっても、珍しいんでしょうね」

-また「切手のないおくりもの」をカバーしていますが、この曲を選んだ理由は?

「一曲カバーを入れないか?という話があったんです。僕自身もアップテンポで曲の流れを変えるようなものがほしいと思っていたので、それはいいな、と思いました。しかも「手紙~親愛なる子供たちへ~」を買ってくださった世代である、40~60代の方々が "懐かしいな" と思える歌を選びたかったんです。当初は別の曲を選ぶ予定だったのですが、エグゼクティブプロデューサーさんからこの曲を紹介され、歌詞を見たらあまりにもぴったりで。一般的に歌に出てこない "年老いた" や "届けよう" ということばが、この曲にはあるんです。このアルバムのトータル的な側面を歌ったのは「よろこびのうた」ですが、僕自身の音楽に対する姿勢や「手紙~親愛なる子供たちへ~」という曲を送り出したスタッフの姿勢だとかを表現したのは、この曲だと思います。だからこの曲を歌う時にはみんなで歌いたい、合唱にしたいな、と思ったんです。John Lennonの「Give Peace a Chance」みたいに」

-この曲はディキシーランドジャズの要素も感じられますね。

「アレンジャーの本田優一郎くんは、Sinead O'Connorのようなアイルランドの静かな曲を想定していたようです。思えば「Give Peace a Chance」もアイリッシュ・フォークっぽいので、答えはそこにあるのかなと僕らは言っていました。アイリッシュ・フォークは移民の音楽として海を渡り、ディキシーランドジャズやブルーグラスに行くことが多いじゃないですか。それで本田くんも『ディキシーランドはどうですかね?』と思いついたみたいで。そういったなりゆきで楽器も、バンジョーやカズーを入れることになったんです。ちなみにこの曲の最後に歓声が入りますが、これは僕が世話になっている大分のDJであるDr.マーサさんたちの声です。まぁ単なる飲み仲間なんですが(笑)、想像以上にイイ感じで録れていたので曲の最後に入れました」

-それから「ほのうた」ですが、ことば遊びのような歌詞が光ります。しかも "ほ" ということばが並ぶので、歌うだけで息を吐いたり吸ったりができてしまう。身体のためにもよいというか、人を自然にHAPPYにする力が、この曲には宿っているのではないでしょうか。

「確かに発声練習ではないですが、ナチュラルに呼吸をするような要素があるかもしれませんね。この歌詞については、寝る前に子どもに聞かせる僕の創作話に端を発しています。もともと歌でストーリーをつくる、というのがとても好きなんです。ちなみにここに出てくる "ほ" ですが、これは北海道の女性DJであり書道家であるKARASUさんが、自宅で "ほ" という文字を書いたところから端を発しています。彼女は "ほ" という文字を書くと、ほっとするらしいのです。それを聞いた彼女の友人であるイラストレーター、山岸みつこさんが『ほのえほん』を描きました。そのお話をラジオのディレクターさんが聞き、この曲が生まれたというわけです。歌詞の最後に出てくる "みんなといっしょじゃなきゃつまらない" と言ったのは僕自身ですね。"ひとりで大丈夫" と言っているのも、昔の僕の姿ですが…。この曲にも僕の子どもの声が入っています。ちっちゃな "っ" ですね」

-最後の曲「よろこびの歌」は、オーケストレーションを配した壮大な曲です。"それは君には 今は悲しい曲かもしれない" という一節は、まるで「手紙~親愛なる子供たちへ~」のアンサーソングにも聴こえます。

「夜にジョギングをしていて膝が痛くなり、歩いている間に "もしも走れないのならば" の歌詞が出てきたんです。それから "もしも立ち上がれないなら" "もしも起き上がれないなら" と仮定が続く曲です。確かに「手紙~親愛なる子供たちへ~」のアンサーソングのような一面もあると思います。いつか僕もこの曲のように、すべてのことに喜べる日がくることを願ってやみません」


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